2017年09月

バベル スタンダードエディション [DVD]
ブラッド・ピッド.ケイト・ブランシェット.ガエル・ガルシア・ベルナル.役所広司.菊地凛子.二階堂智.アドリアナ・バラッサ
ギャガ・コミュニケーションズ
2007-11-02





ふとモロッコの風景が見たくなって、借りてみた。

夫婦仲を修復しようと、子供二人を不法就労のメキシコ人家政婦に預けてモロッコ旅行をしているアメリカ人夫婦。
モロッコ人一家の兄弟が、銃の試し撃ちをしていて、バスに乗っていた妻に弾が当たり、瀕死の重傷を負う。
メキシコ人家政婦は息子の結婚式に出席しなければならないのに替りの子守が見つからず、子供たちを連れてメキシコへ。
銃の元所有者は日本人で、妻を亡くし、聾啞の娘と東京の高層住宅で暮らしていた。

モロッコ、アメリカ&メキシコ、日本のパートで構成されている。

監督(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)がメキシコ人であるせいか、メキシコパートがやはり一番見応えがあると思った。
メキシコーアメリカ国境間の描写は、緊迫感と臨場感が素晴らしい。恐怖を感じる、という意味で。

日本のパートは必要か?という疑念を禁じ得ないが、「バベルの塔」そのもののようなタワーマンションと夜景の画が欲しかったのだろう。
しかしこの描き方はバベルというより、バビロンだな、という気はする。

モロッコでは、清々しいまでに傲慢なアメリカ人の姿が見られる。バスの乗客の迷惑は顧みない、電気も通ってないベルベル人の村で今すぐ救急車を呼べと喚く。現地人に埋められないのが不思議なぐらいだ。この夫婦は末っ子の死に関して諍いがあるらしいが、仲直りしようとして北米から北アフリカに来る意味がわからない。
わからないといえばほかにもわからないところはたくさんあるのだが、そもそも題名の通り「わかりあえない」ことがテーマなら、仕方ないかもしれない。

無闇に他人には勧められない映画だ。レビューを見ても絶賛と酷評の差が激しい。いつ見るか、どういう状況で見るかによっても、感想が変ってくるだろう。
しかし私は家で映画を見ると「ながら見」になってしまうほうなのだが、これは淡々と進んでいくのに目が離せなかった。そして、見てよかったと思った。



「人は失ったもので形成される。人生は失うことの連続だ。失うことでなりたかった自分になるのではなく、本当の自分になれるのだ」
―アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

パークホテル東京に泊まってみました。

DSCN3276

30階の部屋です。

DSCN3275

東京タワーの足下には増上寺と芝公園があって、
徳川家の墓所と、芝丸山古墳が並んでいます。

DSCN3298




















千五百年前の南武蔵の族長と、
江戸の将軍たちが隣り合って眠っていると考えると、
楽しくなってきます。

DSCN3282


明治維新から百五十年目の東京。

DSCN3286

DSCN3287

DSCN3295


武蔵野の王も、江戸幕府の将軍も、この風景は夢にも見なかったことでしょう。

↑このページのトップヘ