この世の最上のわざは何?
楽しい心で年をとり
働きたいけれども休み
しゃべりたいけれども黙り
失望しそうなときに希望し
従順に、平静に、おのれの十字架をになう。
若者が元気いっぱいで神の道を歩むのを見ても、ねたまず
人のために働くよりも
謙虚に人の世話になり
弱って、もはや人のために役だたずとも
親切で柔和であること。
老いの重荷は神の賜物
古びた心に、これで最後のみがきをかける。
まことのふるさとへ行くために。
おのれをこの世につなぐくさりを少しずつはずしていくのは、真にえらい仕事。
こうして何もできなくなれば、
それをけんそんに承諾するのだ。
神は最後にいちばんよい仕事を残してくださる。
それは祈りだ。
手は何もできない。
けれども最後まで合掌できる。
愛するすべての人のうえに、神の恵みを求めるために。
すべてをなし終えたら、
臨終の床に神の声を聞くだろう。
「来よ、わが友よ、われなんじを見捨てじ」と。
ヘルマン・ホイベルス神父。
来日してすぐ関東大震災に遭い、しばらく上智大学の庭でキャンプ生活をする羽目になったが、
黙々と避難する人々を見て
「日本人が好きになった」といって、それからずっと日本に暮らした。
「最上のわざ」はホイベルス神父が故郷ドイツの友人からもらったという詩。
サミュエル・ウルマンの『青春』とは全く逆方向の詩だが
どちらも好きだな。